スポーツ医学 <スポーツ・医学・飲料水>

日常生活のなかでの歩行から体育やスポーツ競技までを含めた広い意味での身体活動を、医学の面から研究しようとする学問。

いいかえれば、疾病の治療や予防、健康の維持・増進、競技力の向上など、すべての身体運動を対象とした総合的な科学といえる。

紀元前3000年ころから、古代中国やインドにおいては、呼吸法やマッサージとあわせた体操が用いられており、これがもつ治療効果についての記載も残されたといわれている。

また、古代ギリシアでは、古代オリンピックが盛んになるにつれて体力を養成するための食物や栄養についての考察、疲労や競技による機能障害を回復するための治療法の研究が進められ、スポーツと医学の接点がもたれたとされる。

さらに、ギリシアにおけるこのような体力増強や健康維持のための試行錯誤的な研究は、オリンピックのためのみではなく、戦争における兵力や産業のための労働力の養成など、種々の目的にも用いられたという。

やがて、こうした研究は西洋医学にも受け継がれ、イギリスのフラーF、Fullerは、1705年に『医学的運動論』を出し、治療医学の領域における身体運動の重要性を説いた。

同じく18世紀、ドイツのホフマンは、治療法としての身体運動には適切な運動量があるということを述べている。

やがて19世紀の初めにデンマークの体操家ナハテガルF、Nachtegall・1777―1847の体操理論が展開され、これは、スウェーデンのリングP、H.Ling・1776―1839によるスウェーデン体操やデンマークのブックN、Bukh・1880―1950によるデンマーク体操に発展する。

これらは、当時の戦争などのために、限られた施設しかなかった状況下における体力養成をねらったものであった。

やがて、臨床医学的分野からは運動中の生体反応である代謝機能や運動生理の研究が展開され、高所への順応と登山の影響、筋疲労の研究などが発表されるようになる。
update:2010年02月25日