権力は (政治・テレビ・世界史)

何らかの物理的強制力の保有という裏づけをもって、他者をその意に反してでも服従させるという、支配のための力のことである。

権力者とは、そうした権力を独占的に、あるいは他に優越して保有し、それを行使する可能性をもつ者を言う。

強制の有無という点で、被治者の自発的な同意・服従を要請する権威とは区別される。権力という概念は、17世紀の力学の発展を背景として生み出された。

すなわち、物体はその位置エネルギーと運動エネルギーから力学的エネルギーを生じさせる。

これと同様に、何らかの「権力手段」、「基礎価値」をもつことによって、ある者が他者をその意に反してでも行動させうる、特別な「力」を保有している、という理解が生まれた。

こうした権力観を「実体的権力観」という。

権力は、社会のあらゆる場面で成立する余地がある。

一般に政治的な場面で用いられる権力(「政治権力」)といえば、一定の範囲の住民すべてに及ぶ強制力を有し、それを服従させるようにまで至った権力のことをさす。

そして、今日、政治権力といえば、国家権力を指すのが通例である。

国家は、法の制定権、警察と軍隊、政府と官僚集団を独占的に保有することによって、実効的な統治権を確保する。

なお、物理的強制力をともなう政治権力を保持するだけでは、政治的正当性を確保するまでには至らず、安定的な支配を維持することは難しい(権威の欠如)。

政治的正当性を確保するためには、政治権力・国家権力が被治者から支配に対する自発的な同意・服従を調達する必要がある。
update:2009年11月04日